本のまとめ「読むだけですっきりわかる世界史近代編(後藤武士)4」

ルネサンス宗教改革

 

ルネサンス
神や信仰中心の中世の息詰まりから古代ローマギリシャ人間性に重きを置いた(ヒューマニズム)時代を取り戻そうという動きがイタリア諸都市から起きる。メディチ家などの大富豪や貴族、教皇らをパトロンとして芸術家や科学者や哲学者が傑作や偉業を残す。

 

文芸
イタリア
ダンテの叙事詩神曲古代ローマ詩人ヴェルギリウスに導かれて地獄煉獄天国を巡る。
ボッカチオ「デカメロン」男3女7の10人で森の館にこもってお互いのエロエピソード披露。
政治思想家マキャベリ君主論」国際関係でただ相手の善意を信じていてはダメ、平和は望んでいるだけではダメ。反民主的イメージのマキャベリズムとは少し内容が違う。

 

イギリス
詩人チョーサー「カンタベリー物語」デカメロンに似ている
トマス・モア「ユートピア
モアの造語。金銀は通商の道具でしかなくて便器に使うなど、権力に目がくらまない独特の考え方。
シェイクスピア
欧米人の基礎中の基礎知識。4大悲劇ハムレット生きるべきか死ぬべきか)、オセロー(黒人と白人の夫婦のどんでん返し続きでオセロの語源)、リア王(口先がうまい人がいい人とは限らない)、マクベス(短い)。他にもロミオとジュリエットヴェニスの商人など。

 

他国
オランダのエラスムス「愚神礼賛」。フランスのラブレー「ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語」、モンテーニュ「エセー」。スペインのセルバンテスドン・キホーテ

 

 

美術と建築
イタリア
ジョット「聖フランシスコの生涯」感情表現のある宗教画。
ドーム式天井と柱のルネサンス様式。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂の改築
ラファエロ最後の審判ダヴィデ像のミケランジェロ。春やヴィーナスの誕生ボッティチェリモナ・リザや最後の晩餐のレオナルド・ダ・ヴィンチ

 

三大発明や科学技術
中国発祥の火薬、羅針盤活版印刷を改良。
ドイツのグーテンベルク活版印刷を改良したことで富裕層以外でも聖書を読めるようになる。コペルニクスの地動説。

 

 

宗教改革


十字軍の失敗や教皇のバビロン捕囚、教会大分裂などが起きた事でカトリックの権威に異を唱える動きが出てくる。サン・ピエトロ大聖堂改築費用のための贖宥状に疑問を感じたドイツのマルティン・ルターが95箇条の論題を発表。教皇からは破門され、神聖ローマ皇帝カール5世に反対されるもドイツ諸侯には支持される。ドイツ語の聖書を完成させ、信仰によってのみ救われる福音主義が広まる。その影響は農民のミュンツァーに影響を与えドイツ農民戦争が起きるが農奴解放まではルターも賛成できず鎮圧される。しかし地方にはルター派も広がっていった。皇帝としては弾圧したいが、イタリアを巡りフランスと対立、オスマン帝国のヨーロッパ進出などで手が回らなかった。しかしカール5世はカトリックだったのでルター派を認めなかったので、ルター派が猛反発しプロテスタントが生まれる。シュマルカルデン同盟を結成し戦争が起きて皇帝側が勝利するも抵抗が続いてついにルター派が認められる。アウクスブルクの和議。


スイスはツヴィングリからの内戦。
フランスはカルヴァン福音主義プラス魂の救済は決められている「予定説」を提唱。他力本願的な考え。牧師の長老制度も取り入れる。カルヴァンの考えはヨーロッパ中に広がりピューリタンプレスビテリアンユグノーやゴイセンなどと呼称される。

 

イギリス国教会
ヘンリー8世が最初の妻と離婚したくて首長法を制定しイギリス国教会が生まれる。主教制がとられる。
ヘンリーは6人の妻がいて、死後の後継者は唯一の男である3人目の妻の子。摂政ジョンの画策などを経て後継者となった最初の妻の子供メアリは父に恨みがあったので国教会を弾圧、プロテスタントを迫害しブラッディメアリと呼ばれた。後継者となったのが2番目の妻の子供エリザベス1世。イギリスに黄金時代をもたらす。


カトリック側の内部改革を対抗宗教改革と言う。イグナティウスロヨラフランシスコ・ザビエルイエズス会結成。トリエント公会議で宗教裁判強化、魔女狩り強まる。